FRB、金利据え置きか?経済の不透明感が増す

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アメリカ経済の先行きに不安が広がる中、連邦準備制度理事会(FRB)は今週の金融政策決定会合で利下げを見送る可能性が高まっています。トランプ大統領の貿易政策の影響やインフレ懸念など、様々な要因が絡み合う中でFRBの決断に注目が集まっています。

金利据え置きの可能性が高まる

FRBは3月19日から20日にかけて金融政策決定会合を開催します。市場関係者の間では、今回の会合でFRBが政策金利を現行の4.25%~4.5%に据え置くとの見方が強まっています。

CMEグループのFedWatch予測アルゴリズムによると、金利据え置きの確率は99%に達しています。これは、経済の不確実性が高まる中で、FRBが慎重な姿勢を示す可能性が高いことを示唆しています。

インフレと経済成長のジレンマ

FRBはインフレ抑制と経済成長の両立という難しい課題に直面しています。2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.8%上昇と、1月の3.0%から鈍化しましたが、依然としてFRBの目標である2%を上回っています。

一方で、労働市場は引き続き堅調な状況にあります。しかし、最近の連邦政府の人員削減の影響がまだ失業統計に反映されていない可能性もあり、今後の動向が注目されています。

貿易戦争の影響と不確実性

トランプ大統領の貿易政策も経済の不確実性を高める大きな要因になっています。関税の引き上げや貿易相手国との緊張関係は、企業の投資判断や消費者心理に影響を与えています。

FRBのパウエル議長は3月7日の講演で、「貿易政策、移民政策、財政政策、規制など、重要な政策変更が進行中であり、その影響に関する不確実性は依然として高い」と述べています。

今後の金利動向と経済見通し

多くのエコノミストは、2025年の利下げ回数が従来の予想よりも少なくなる可能性を指摘しています。一部の専門家は、2025年の利下げを2回程度と予想しており、9月と12月に各0.25%ポイントの利下げが行われるとの見方を示しています。

ただし、労働市場の急激な悪化やインフレの予想以上の鈍化など、経済状況が大きく変化した場合には、FRBの対応も変わる可能性があります。今後も経済指標や政策動向を注視する必要がありそうです。

参照:
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