2025年2月の日本のコアインフレ率が予想を上回る3%となり、日銀のさらなる利上げ観測が強まっています。エネルギー補助金の再開にもかかわらず、インフレ圧力は依然として強く、日本経済の転換点を示唆しています。
インフレ率の詳細と市場の反応
2月のコアCPI(生鮮食品を除く消費者物価指数)は前年同月比3.0%上昇し、市場予想の2.9%を上回りました。ただし、1月の3.2%からは若干低下しています。総合CPIは3.7%となり、こちらも4%だった1月から低下しましたが、依然として日銀の2%目標を大きく上回っています。
特筆すべきは、生鮮食品に加えてエネルギーも除いた「コアコア」CPIが2.6%に上昇したことです。これは約1年ぶりの高水準で、基調的な物価上昇圧力が強まっていることを示しています。
市場では、この結果を受けて日銀の追加利上げ観測が強まっています。円相場は対ドルで若干の上昇を見せ、日経平均株価はわずかに下落しました。
賃上げと日銀の政策判断
インフレ率の上昇に加え、春闘での大幅な賃上げも日銀の政策判断に影響を与えそうです。日本最大の労働組合連合会は、4月からの平均5.46%の賃上げを発表しました。これは30年以上で最大の上昇率です。
日銀の植田総裁は、食品価格の上昇や予想以上の賃金上昇が基調的なインフレ率を押し上げる可能性があると警告しています。多くのエコノミストは、日銀が2025年第3四半期(おそらく7月)に0.75%への利上げを行うと予想しています。
グローバル経済への影響と今後の展望
日本のインフレ率上昇は、グローバル経済にも影響を与える可能性があります。特に、円高への転換は、リスク資産や暗号資産市場にも波及する可能性があります。
一方で、米国の貿易政策の不確実性など、グローバルな経済リスクも高まっています。日銀は国内のデータだけでなく、こうした海外の動向も注視しながら、慎重に政策判断を行っていくことになりそうです。
今後は4月の物価データが重要になると見られています。新年度開始に伴う企業の価格改定の動向が、日銀の政策判断に大きな影響を与える可能性があります。
参照:
Japan core inflation rose 3% in February, bolstering expectations of interest rate hikes
Japan’s core inflation hits 3% in February, keeps alive BOJ rate-hike bets
Japan Inflation Data Strengthens Call For Rate Hike
Hotter-Than-Expected Core Inflation in Japan Sparks Rate Hike Talk, Threatens Crypto
Japan’s Inflation Slows Less Than Expected, Backing BOJ Hikes
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