世界の投資家たちの目が中国株に向けられています。米国のトランプ大統領の貿易戦争が景気後退への懸念を引き起こす中、中国株式市場が予想外の避難先として浮上しています。テクノロジー株の急騰、魅力的な株価水準、そして中国政府の積極的な景気刺激策が、投資家たちを引き付けています。
中国株が急騰!トランプ効果と技術革新
香港の主要株価指数であるハンセン指数は、トランプ氏が2025年1月に大統領に就任して以来17%上昇しました。これはS&P500の約9%下落と対照的な結果です。特に注目すべきは、テクノロジー株の力強い上昇です。2025年に入ってからのテクノロジー株の上昇率は29%に達し、3年以上ぶりの高値を記録しています。
この急騰の背景には、人工知能(AI)スタートアップ企業「DeepSeek」の台頭があります。DeepSeekの最新モデルの登場は、中国のテクノロジー企業が米国企業の技術力に到達した(あるいは超えた)ことを示しました。これに続いて、テンセントやアリババなど、中国の大手テック企業も次々と新たなAI技術を発表しています。
投資家を引き付ける中国株の魅力
中国株式市場の魅力は、その割安な株価にあります。ハンセン指数の株価収益率(PER)は、今後12ヶ月の予想利益に対して7倍程度で、S&P500の20倍と比べて割安な水準にあります。この割安感に加えて、中国政府の積極的な景気刺激策も投資家の関心を集めています。
中国は先週、財政赤字をGDPの4%という異例の水準に引き上げ、消費者向け補助金プログラムを拡大するなど、成長重視の姿勢を改めて示しました。また、民間セクターの技術革新を支援する計画も強調されています。
グローバル投資家の動向と今後の展望
この状況下で、グローバル投資家の資金が中国株式市場に流入しています。JPモルガンによると、過去数週間で米ドルから香港ドルへの両替が記録的な水準に達しており、香港株式市場への資金流入の勢いを示しています。
シティグループのグローバルマクロ戦略チームは、中国株(特にハンセン指数)の見通しをオーバーウェイトに引き上げる一方で、米国株を中立に引き下げました。エマー・キャピタル・パートナーズのCEOであるマニシ・ラーチョードゥリ氏は、「投資家の資金が新興市場、特にアジアの新興市場に還流する可能性がある」と指摘しています。
しかし、課題も残されています。中国経済のデフレ圧力、不動産市場の問題、そして米中間の貿易戦争などが、依然として投資家の懸念材料となっています。
今後の中国株式市場の動向は、世界経済の不確実性が高まる中で、引き続き注目を集めることでしょう。
※免責事項※
本記事は情報提供を目的としており、投資アドバイスを提供するものではありません。仮想通貨への投資はリスクを伴うため、ご自身の判断と責任において行ってください。
参照:
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